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![]() ![]() 《「純青の渡船」は木桶への挑戦!》 この仕事をやっていて嬉しくなる瞬間の1つ。 それは、訪問した際に見た醪(もろみ)がお酒として届くこと。 商品をご紹介する際の思い入れが全く違います。 蔵で醪を見せて頂けるだけでも十分嬉しいんです。 しかし、今回はそれだけではありません! 何と、収穫前のお米まで見せて頂いたんです! 私、渡船(わたりぶね)を初めて見ました! 渡船には原種の特徴であるヒゲが生えているんです。 自分が田んぼで見たお米が醪となって、醪が搾られてお酒になって自分の元に届く。 ラベルを見ただけでワクワクして来るんです! ではここから、チャレンジし続けるお酒「純青」の「渡舟生もと純米木桶仕込み」をご紹介致します。 まずはお米。 このお酒に使用されているお米は渡船(わたりぶね) 滋賀県で主に使用されている渡船は6号で、背丈は高めです。 一方、今回使用されている渡船は2号で、背丈が低いので短稈渡船(たんかんわたりぶね)と呼ばれています。 短稈渡船こそ、酒米の王者、山田錦のお父さんに当たるお米です。 この渡船2号を栽培された方が豊倉町営農組合の岩佐さんです。 (「純青」の夢錦を栽培されたのも岩佐さんです。) まあ、自称酒米マニアとおっしゃるだけあってとにかく熱い! 今では、お米のことで分からないことがあったら真っ先に岩佐さんに質問しています。 岩佐さんは酒米の観点から日本酒を盛り上げようと新しい品種の栽培を常に模索されている、チャレンジし続ける生産者さんです! 今回の渡船を栽培されるきっかけは実は蔵元の稲岡さんからの一言だったのです。 「雄町は作れますか?」 最初は雄町を栽培して欲しいと岩佐さんにオファーを出されました。 しかし、雄町の種が手に入らないということで、替わりに岩佐さんから提案されたのが渡船だったんです。 なぜ、雄町が欲しかったかということですが、それは、軟質で晩生(おくて)のお米が欲しかったからとのこと。 渡船は元々福岡県から雄町が船で本州、滋賀県に渡って来たのが名前の由来だそうですから、雄町と大きく変わりません。 ということで、岩佐さんの手によって渡船2号こと短稈渡船が栽培されました。 次に木桶(きおけ)の話。 木桶で発酵し続けている渡船を見ていた時に稲岡さんは木桶について語って下さいました。 始めに申し上げておきたいのは、決して、木桶が流行っているから試してみたという安易な発想では無いということです。 現在の仕込みタンクの主流は金属製(ホーロー・ステンレスなど。) それまでは木桶が主流でした。 また、現在は技術が進歩しており、以前は秋から春までの気温が低い時期にしか行えなかった酒造りが、タンク或いは仕込み蔵全体を温度管理することで、一年中酒造りを行うことも可能となりました。 ということは、理論上は北は北海道、南は沖縄までどこでもほぼ同じ環境で酒造りが行えるとも言えます。 しかし、木桶ではそういう訳にはいきません。 つまり、「富久錦」の蔵の特徴や加西市の気候風土がダイレクトにお酒に表現されるということになります。 稲岡さんがこのお酒で表現したかったのは、渡船の旨さだけではありません。 加西市の気候風土が醸し出した、「富久錦」にしか造れないお酒を「純青」で表現する為に敢えて木桶にチャレンジされたのです。 木桶仕込みをされるに当たって、まずは、蔵で以前に使用していた木桶を解体。 使える部分だけを選抜し、再び組み立てることで2つの木桶が復活しました。 この木桶には蔵人の決意表明とも取れる、署名が施されています。 蔵人のこのお酒に掛ける決意もまた、味わいに表れていると言えるのではないでしょうか。 言わば、これら全てが「純青」のテロワールなのです。 短稈渡船の原種ならではの力強い味わい。 「富久錦流生もと」の力強くも美しい酸。 お米の生産者・蔵人のチャレンジ精神の結晶、「純青の渡舟生もと純米木桶仕込み」を是非飲んでみて下さい。 |