
とっておきの和食に寄り添う。低温で整えた透明な旨み。 ◇天明 純米大吟醸 火入 一年熟成 茶色の天明
商品説明
《 とっておきの和食に寄り添う。低温で整えた透明な旨み。 》
タクシーを降りたのは、駅から少し離れた飲食街の一角。
近くには昔ながらの寿司屋や、ワインを出す和バルなどが点在し、どこからともなく出汁や炭火の香りが漂ってくる。
少し歩くと、通りの喧騒がふっと遠のき、道の奥に一軒の和食店が静かに佇んでいた。
軒先に吊られた行灯(あんどん)の柔らかな光。
控えめに灯るその光に導かれるように、そっと引き戸を開ける。
店内は十席ほどのカウンターと、わずかな小上がり。
若き料理人が無駄のない所作で包丁を振るっている。
ひと皿目は、焼き茄子と生湯葉の土佐酢がけ。
続いて現れたのは、鰻の白焼きに山葵と塩。
素材の良さと仕事の妙が、まるで呼吸のように自然に重なり合っている。
そこに添えられたのが、「茶色の天明」。
澄みきった香り、凛とした酸、じんわりと広がるやさしい甘み。
料理と響き合うこの感覚は、偶然ではない。
食と酒が互いを引き立てる、まさに理想的な関係。
さて、この「茶色の天明」とは、いかなる酒なのか。
その酒質と背景、そして魅力に触れてみよう。
《 天明の美意識が結晶した、洗練の純米大吟醸 》
「茶色の天明」は、福島県・会津坂下町の曙酒造が手がける、定番“天明”シリーズの中でも上位にあたる純米大吟醸酒です。
コンセプトは、無濾過ならではの豊かな味わいを楽しんでいただくこと。
そのために、搾った酒を生のまま1年間、低温で丁寧に寝かせました。
一方で、天明が大切にしてきた“透明感”や“美しい酸”も、この酒の中ではしっかりと表現されています。
無濾過の力強さと、天明らしい繊細さ。その両方を味わえるよう設計された、造り手のこだわりが詰まった一本です。
酒米には徳島県産の山田錦を100%使用。
半分まで磨き込んだ精米歩合50%というスペックが、繊細で伸びのある味わいを支えています。
酵母は協会901号酵母と、地元・福島県が開発した「うつくしま煌酵母」を併用。
フレッシュな香りとやさしい酸を併せ持つ、天明ならではの酒質を目指しました。
搾られた酒は、あえて火入れせずに生のまま、0~3℃の低温冷蔵庫で丸一年貯蔵。
その後、出荷前にしっかりと火入れを行い、急速冷却にてビン詰め。
火入れの利点と、生熟成による味の幅の広さ両立させた、独自のスタイルで仕上げられています。
アルコール度数は16%。優しくも飲み応えのある設計です。
味わいは、まさに“優和”という言葉がふさわしい広がりと調和。
洗練された酸味と澄んだ甘みが重なり、山田錦の旨味が芯となって全体を支えます。
低温で整えられたことで、角が取れクリアで上品な印象が持続。
おすすめは冷酒から常温、食と寄り添う万能さを備えています。
この酒が特に活躍するのは、いつもとは違う“特別な夜”。
誕生日や結婚記念日、親しい人との集まり、あるいは季節の美味を手に入れた夜。
そんな時に選べる純米大吟醸として、価格以上の価値をもたらしてくれる1本です。
手に取りやすく、けれど手抜きのない天明の純米大吟醸。
その完成度を、ぜひ一度体験してみてください。
《 味わい・楽しみ方:和食をさらに引き立てる、包容力のある酒質 》
ひと口目は、凛とした酸が舌をすっとなぞり、その後にふんわりと広がるやさしい甘み。
すべてが丸く調和し、重たさを感じさせないのに、芯のある味わいが余韻を静かに残していきます。
「完成度」で語る純米大吟醸、それが「茶色の天明」の真価です。
この酒が活躍するのは、料理にこだわった食卓や、特別な時間を過ごす夜。
記念日、晴れの日、親しい人との会食にそっと寄り添い、主役である料理の魅力をさらに引き立ててくれます。
乾杯の一杯としても、食中酒としても、ゆるやかにその表情を変えながら、長く楽しむことができます。
【冷酒(5℃~10℃)】
キリッと冷やすことで、透明感が際立ち、天明らしい美しい酸が引き立ちます。
吟醸香がすっと立ち上がり、グラスからも華やかさを感じられます。
飲み始めの乾杯酒としても最適で、口の中を清めてくれるような印象。
軽快でシャープな印象が楽しめる温度帯です。
【常温(15℃~20℃)】
時間の経過とともに、甘みや旨みがゆるやかに広がり、奥行きのある味わいへと変化します。
酸が丸くなり、柔らかな印象が強まり、和食との相性がいっそう引き立ちます。
落ち着いた空間で、ゆっくりと料理とともに楽しみたいときにぴったりの温度帯です。
◎うなぎの白焼き
香ばしさと脂の旨みを、やさしい酸と旨みがすっと流し、後口を整えてくれます。
山葵や塩との相性も良く、酒の上品さが際立ちます。
◎真鯛の昆布締め
淡白ながらも旨みのある刺身に、酸と甘みが寄り添います。
余韻の静けさが、昆布の香りを引き立ててくれます。
◎鴨ロースと無花果の味噌だれ
甘みと酸味のある創作料理に、天明の酸と旨みが見事にマッチ。
余韻に残るやさしい甘みが、無花果の風味と心地よく重なります。
◎銀だらの西京焼き
濃厚な味噌のコクを、酒の広がりある酸が軽やかに受け止めます。
脂と味噌が重なった後味を、穏やかに締めてくれる存在です。
丁寧に整えられた味わいだからこそ、どんな料理にも、どんなシーンにもすっと馴染みます。
静かで品のある一本ですが、間違いなく印象に残る酒です。
その包容力と柔らかさを、ぜひご自身の時間で味わってみてください。
《 手間と時間を惜しまぬからこそ、得られる上質な一献 》
「茶色の天明」は、料理の魅力を引き出し、会話を豊かにし、時間を穏やかに包み込む。
そんな力を持っています。
食中酒でありながら、乾杯酒にもなる。
バランスの良い設計は、飲みごたえと軽やかさを両立し、冷酒から温燗まで幅広い温度で楽しめます。
それに応じて表情を変える味わい。
一本で複数のシーンを演出できる大きな魅力です。
また、純米大吟醸というスペックでありながら、税込み4,000円台前半という現実的な価格設定。
だからこそ、誕生日や結婚記念日、親しい人との集まり、お盆やお正月など、
ちょっと特別な日を演出したいときに手が届きます。
特別な食卓に、ほんの少しの贅沢を添えたい。
そんなとき、この酒がきっと記憶に残る一杯となってくれるでしょう。
《 保存・発送について クール発送(500円)です 》
この酒は加熱処理が行われていますが、蔵でずっと冷温管理されていた日本酒です。
蔵から酒販店へもクール便で配送されている商品です。
そのためクール便にて発送いたします。
常温便での発送をご希望の場合は
「常温便チケット」をカートに入れてください。(クール料金は発生いたしません。)
いずれの発送方法でも商品到着後は要冷蔵を推奨します。
《 この酒を造る曙酒造について。 》
曙酒造は日露戦争が勃発した明治37年(1904年)、会津坂下町に創業した酒蔵。
創業者の鈴木幸四郎氏は、地元の味噌を造る蔵で大番頭を任されていた人物でした。ある日、小作人が作る米の良さに着目し、独立して酒蔵を興したのが始まりとのことです。
100年を超える歴史を持つ曙酒造ですが、3代続けて女性が蔵元を務める「女系の酒蔵」という歴史を持っていました。
酒造りの現場は女人禁制と言われた明治から昭和の時代。曙酒造は全国でも大変珍しい歴史を持つ酒蔵と言えるでしょう。
しかしこの蔵についに男子が誕生します。
6代目 鈴木 孝市(すずき こういち)蔵元です。
東京農業大学に進学し東京で一般企業を経て蔵に戻り酒造りを学び20代で杜氏に就任。
2013年に6代目蔵元を継承しました。若い力で酒蔵を変えていく注目の蔵元です。
(文章:佐野 吾郎)
商品スペック | |
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容量 | 720ml |
製造元 | 曙酒造(福島県) |
特定名称 | 純米大吟醸 |
原材料 | 米・米麹 |
生/火入れ | 火入れ酒(加熱処理有り) |
保存 | 要冷蔵 |
メーカーサイト | http://akebono-syuzou.com/ |
■甘辛:中間 ■原料米:徳島県産山田錦 ■精米歩合:50% ■アルコール度数:16度 ■日本酒度:+1.0 ■酸度:1.8 |