《日本酒は熟して美味しくなる。》
日本酒が美味しくなる秋から春。
熟したお酒「ひやおろし」は料理をより美味しく変身させます。
ごちそうが並ぶ年末年始。
新酒が並びだす季節ですが日本酒を美味しく、料理をより美味しく楽しむなら、円熟した味を迎えた「ひやおろし」もオススメします。
《この時期に美味しい「ひやおろし」とは。》
冬に造られた新酒は、火入れを行った後、蔵内で静かに貯蔵熟成されます。そして 外気が涼しくなる秋風が吹く頃に飲み頃を迎えます。
その時期から蔵出しされる酒を「ひやおろし」と呼びます。
新酒の頃には荒削りだった酒が、程よい円熟味を帯びることから
「ひやおろしを迎えて初めて1つのお酒が完成する」とも言われています。
《かつて新酒より先に古酒から売れて無くなる時代があった》
昭和一桁生まれの私の父の世代では、酒屋では新酒が発売される季節になるとお客様は新酒ではなく「去年の酒」を指名して買って帰ったそうです。そして「去年の酒」が売り切れたら新酒が売れ始めます。
理由は当時の人々は新酒よりも「去年の酒」の方が美味しいと思っていたから。
当時は灘の酒が全盛期という時代でしたが、固い新酒よりも円やかに整った熟成酒の方を美味しいと評価する人が多かったのです。
今では軟水で仕込む技術が進み、美味しく飲みやすい新酒が現るようになりました。
しかしひと夏を越して角が取れ、美味しく整った素晴らしい味もあります。
新酒が発売され始める冬から春。
だからこそ美味しく熟したひやおろしがオススメなのです。