《　南魚沼の雪に包まれ眠った、時のしずく　》
雪がすべてを覆い尽くす、南魚沼の冬。
白銀の世界に静かにたたずむ酒蔵が、青木酒造です。
創業300年以上、雪とともに歩み続けた蔵が見出した答えは、"雪で酒を育てる"という発想でした。

雪国にとって雪は、時に生活を脅かす厄介な存在。
しかし青木酒造は、それを逆手に取ったのです。
自然が与える冷気を最大限に活かし、酒の新たな境地へ挑戦したのが「雪室ヴィンテージ」シリーズです。

今回ご紹介するのは、2019年に仕込まれ、5年の歳月を南魚沼の雪の力でじっくりと眠り続けた一本。
『鶴齢 雪室ヴィンテージ2019』。
果たしてどんな味わいなのか？
飲まずにいられない物語が、ここにあります。

《　青木酒造300年の答えは「雪を活かす」　》
青木酒造が位置する新潟県南魚沼市塩沢。
この雪深き地で、300年の歴史を刻んできた「鶴齢」。
その長き歩みの中でたどり着いた一つの境地が「雪室熟成」でした。

2018年、雪を活かした貯蔵庫「雪室」を完成。
冬に積もる大量の雪を活用し、年間を通してマイナス5℃という氷温で酒を静かに寝かせるこの施設は、まさに自然の冷蔵庫。５年間貯蔵し完成したのが、この『鶴齢 雪室ヴィンテージ2019』です。

原料米には、兵庫県産特A地区東条の山田錦を使用。
その米を37％まで磨き上げた純米大吟醸。
蔵の伝統技術と雪室熟成が融合し、角の取れた柔らかさ、なめらかでシルキーな口当たりが生まれました。

さらに特筆すべきは、その佇まい。
デザインを手がけたのは、クリエイティブディレクターの佐藤 可士和(かしわ)氏。
ユニクロやセブン＆アイ・ホールディングスのロゴマークのデザインをはじめ企業のプロデュースも手掛ける日本を代表する方。桐箱に包まれたその姿は、まさに贈り物や記念日の主役にふさわしい品格を宿しています。

南魚沼の物語、雪の力、時間の重み。
これは、特別な時間に寄り添うために生まれた日本酒です。
大切な人との語らいや、人生の節目、自分へのご褒美、そして訪日された方への「日本文化の結晶」として。
ただの酒ではありません。「意味がある日本酒」です。

《　味わい・楽しみ方：贈って喜ばれ、飲んで心ほどける一本　》
まずは、冷蔵庫から出してすぐの冷たい状態で。
5年熟成とは思えないほどのクリアな香り、口に含めば研ぎ澄まされた吟醸香と共に、シルクのような舌触りが広がります。

そこから常温へとゆっくり戻していく過程もまた、愉しみのひとつ。
温度が上がることで、隠れていた旨味と熟成香がじんわりと顔を出し、ひと口ごとに奥行きを増していきます。

季節や気分によってはぬる燗（約40℃前後）もおすすめ。
角のない旨味がふわりと広がり、体の芯から染み入るような心地よさを感じられます。

料理との相性も抜群。
まずは地元・南魚沼の名物「へぎそば」。
つるりとした喉越しと控えめなつゆが、雪室酒のやさしい味わいとぴたり重なります。

もう一品は、同じくへぎそばに添えたい「舞茸の天ぷら」。
舞茸の香りと衣のサクサク感、そこに雪室酒のふくよかさが加わり、上質な調和が生まれます。

魚料理では、「のどぐろの塩焼き」を。
脂がのった旨味と雪室ヴィンテージの落ち着いた旨味が交差し、飲み進めるごとに深い満足感が得られるはず。

肉料理では、「比内地鶏の塩焼き」を。
香ばしさとジューシーさに、鶴齢の透明感ある旨味が優雅に寄り添います。

贈答品としても、手土産としても、きっと喜ばれる一本。
食卓に華を添え、記憶に残る時間を演出してくれる日本酒です。

《　雪と時が醸す特別な一本を、あなたの元へ　》
どんなに技術が進んでも、自然にしか出せない味があります。
この酒は、まさにその象徴。

雪と共にある生活。雪を活かす知恵。
そして、そこから生まれた奇跡の一本が、この『鶴齢 雪室ヴィンテージ2019』です。

桐箱に包まれたこの酒を開ける瞬間、グラスに注ぐひと時、そして口に運ぶひとくち。

そのすべてが、特別な体験になるでしょう。

今、あなたのそばに置いてほしい酒があります。
それは、誰かの記憶にも、あなたの記憶にも、静かに寄り添う一本です。

《　保存・発送について。　》
この酒は火入れが行われている日本酒ですが、デリケートな商品です。
そのため夏季（猛暑期）はクール便でお送りします。
それ以外の時期は常温配送となります。

クールをご希望の方は「クールチケット(500円)」をご購入下さい。
常温便をご希望の場合は「常温便チケット」をカートに入れてください。

保存について：スペースに余裕があれば冷蔵庫での保存をおすすめします。
冷蔵庫での保存が難しい場合は、極力光が当たらない場所、振動と温度変化の少ない場所をおすすめします。その場合できるだけ早くに消費下さい。

《　この酒を造る青木酒造について　》
新潟県南部の南魚沼市は、日本一のコシヒカリの産地として知られる「コシヒカリの聖地」。
同時にいくつもの酒蔵が存在する酒造りの産地でもあります。
その南魚沼に江戸時代中期1717年に創業した300年以上の歴史を持つ酒蔵が「青木酒造」。

新潟の日本酒はかつて「淡麗辛口と言われていましたが、鶴齢が造る酒はそれとは異なる無濾過生原酒。新潟の酒のような綺麗で洗練された味わいを持ちつつ原酒のダイナミックな味わいも兼ね備えている美酒を造る蔵として日本酒ファンから注目されている銘柄です。

(文章：佐野 吾郎)