《糖類ゼロ！アルコール発酵の限界に挑んだ日の本一ドライな純米酒！》
辛口という言葉。
色んな意味で使用されますが、味の観点で言うと、香辛料に代表される刺激的な辛さ、それと、甘く無いという意味。
日本酒の場合は後者です。

日本酒に甘味は要らん！

まるで米焼酎の水割りのようなスカッとした日本酒がお好みの方におすすめなのが「日の丸　HYPER DRY(ハイパードライ)」
あと、アルコール発酵に興味のある方にも。

「日の丸　HYPER DRY(ハイパードライ)」はかなり尖った商品です。
決して万人受けはしません。
いつもの「まんさくの花」とは全然違う！
だから「日の丸」ブランドで出されている程。

「日の丸　HYPER DRY(ハイパードライ)」は糖類ゼロ！
アルコール発酵の限界に挑戦した日の本一ドライな純米酒です！
つまり、ブドウ糖は含まれていません。

こんなことを商品説明で書いてはいけないのかも知れませんが、興味のある方は飲んでみて下さい。
この商品説明を読んで下さい、としか私は申し上げられません…。

日本酒度+25、アルコール度数18度。
甘味は無いし、アルコール辛さもあるし、苦味もある。
初めて飲んだらビックリしてしまうかも知れません。

と、こんなことばかり書いている訳にも行きませんので、美味しく飲む為のご提案を軽く。
意外と日本酒に合わないと言われている、珍味系の代表格、イカの塩辛。
更にはキムチなどの漬物類。
それとほろ苦さが美味しい食材。
塩味が強めの食材、激辛料理など。
これらと合わせると飲まれる方のお好みによっては酒の長所が引き出せるかと。

飲み方としましては、ストレートよりはロックかソーダ割りがおすすめです。

糖類ゼロ！
アルコール発酵の限界に挑んだ日の本一ドライな純米酒！
「日の丸　HYPER DRY(ハイパードライ)」
蔵元のチャレンジ精神と意欲を感じてみて下さい！

ここからはアルコール発酵の限界に興味がある方は読んで下さい。

《日本酒の辛口って？》
そもそも日本酒の辛口って何？
甘くないのが辛口だと言われています。
人によっては日本酒に辛口はありません、とおっしゃいます。
私もどちらかというとその考えです。
というのが、殆どの日本酒には甘味があるからです。
たとえそれが辛口と呼ばれる日本酒であったとしても。

最近は非公開の蔵元が増えつつありますが、日本酒度と言って、辛さ・甘さを示す目安だと言われている物があります。
(私は目安になるとは全く思っていませんが…。)
+の数値が大きくなると辛口、-の数値が大きくなると甘口、だとされています。
が、これ、一概には言い切れません。
日本酒度の+の値が大きくても甘い酒は幾らでもあります。
(逆ももちろんあります。)
このことに大きく関わっているのがブドウ糖の含有量。
ブドウ糖が多いと甘く感じ、逆に少ないと甘味が控えめ。
この甘味が控えめな状態を辛口と呼んでいます。

《アルコール発酵の限界とは》
日本酒におけるアルコール発酵である並行複発酵。
米のデンプンを麹が糖化。
糖化されて出来たブドウ糖を酵母が食べてアルコールと炭酸ガスを出す。
糖化とアルコール発酵が同じタイミングで行われているので「並行複発酵」と呼ばれています。

この並行複発酵の限界、つまり、酵母が糖を食べ切った状態。
この状態が完全発酵だと言われています。

《糖類はゼロだが糖質はゼロでは無い》
「日の丸　HYPER DRY(ハイパードライ)」の日本酒度は+25で糖類はゼロ。
搾ってすぐに火入れを行うことで酵素を失活させているので、これ以上糖化と発酵は行われません。
ですが、糖質はゼロにはなっていません。
つまり、まだアルコール発酵は続けようと思えば続けられた訳です。
ただ、糖質がゼロになるまで発酵を進めることは難しいというか、糖質がゼロになる前に酵母が全滅してしまいます。
酵母が死ぬと酵母臭が出ますし、苦味がキツくなります。
そこで、アルコール発酵の限界にチャレンジしつつも、飲み物である以上、味を守られる為に、糖類がゼロになった時点でストップを掛けられました。

ということで、蔵元の資料を参考に話を進めて参りましたが、私は蔵元のチャレンジ精神に敬意を表しますし、今後の展開に大いに期待しています。
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

(文章：金巻 忍)