相沢さんご夫婦に観光スポットとして案内してもらった羽黒山。
しかしこの日は足場がかなり悪いとのことで、麓の休憩所で雪国仕様の長靴とストックを借り、このスタイルで挑戦することになった。
羽黒山参道の入り口に構える随神門(ずいしんもん)。この先はいよいよ神域だ。
ここには本来、石段があるはずなのだが、ご覧のとおり雪で踏み固められた斜面となっている。
スーツのうえにコート姿、おまけにカメラを下げての雪中行軍は無謀だったのか。
歩行速度が上がらない佐野屋一行に対して、先導役の相沢さんご夫妻は道を踏み固めながらどんどん奥へ進んでいく。
見渡せば樹齢300年を超える杉林、その中を縫うように細い参道が走っている。
この山道一帯は「ミシュラン・グリーンガイド」でも紹介されており、最高評価の三ツ星を獲得している。
継子坂(ままこざか)を下ったところで、小さい社(やしろ)が並ぶ地点に到着。
この近くには祓川(はらいがわ)と須賀の滝と呼ばれる修行の場があり、修験僧たちは雪解け水が流れる冬、ふんどし姿でこの水に浸かり修行を行なうそうだ。
羽黒山の杉並木は、ミシュランの他にも国の特別天然記念物に指定されている。
太いものになると樹齢1000年を超えると言われており、そのうちの1本を見上げる店主吾郎。
そして今回の目的地、羽黒山の五重塔に到着!
雪の難路を乗り越えて到達した達成感から、思わず両手を上げて万歳!
羽黒山の五重塔は国宝に指定されており、平安時代に平将門が創建したと伝えられている。
現存するものは室町時代に再建されたものだが、東北地方で現存する最古の塔。
羽黒山は会津や平泉と共に東北地方の仏教文化の中心であったことから、数々の文化財が残されている。
五重塔の建築には釘を一切使用していない。
これは「素木造り(しらきづくり)」と呼ばれる建築方法で、伊勢神宮など大きな寺社仏閣もこの方法で建てられている。