佐野屋には「雄町」というお米で造られた日本酒を、愛してやまないスタッフがいます。
その彼の提案で、飲食店様の協力のもと、雄町を用いた酒のみをピックアップし楽しむ企画をしました。
日本酒の原料となる米には種類があり、その種類ごとに長所・短所が存在します。
原料米はお酒の性格を決定づける重要な要素の一つなのです。
日本酒の大きな楽しみの一つは「いろんなお酒を飲み比べること」ではないでしょうか。
蔵による味の違いを楽しむ、というのも楽しみ方の一つですが、
お米による味の違いを楽しむ、というのも是非皆様に試していただきたい楽しみ方です。
今回は雄町に限定しましたが、山田錦、五百万石、美山錦など様々なお米があります。
それぞれのお米によるお酒の味の違いを楽しまれてはいかがでしょうか?
今回はおいしいお料理を雄町でいただきます!
白金豚バラ塩焼きはどのお酒にも合いますねー。
2015.8.25.
撮影協力:dining 和
大阪府枚方市大垣内町2-8-8
TEL:050-5789-6550
《雄町ってどんなお米?》
「雄町」は、主に日本酒造りに用いられるお米で、その9割は岡山県産です。
岡山県赤磐地区で栽培される「赤磐雄町」、香川県で栽培される「讃州雄町」、広島県で栽培される「広島雄町」など、造られる地域によって名称が異なりますが、それらを総称して「雄町」と呼びます。
優れた酒造好適米であり、各地で交配種として用いられ、同じく優れた酒造好適米として名高い、山田錦や五百万石などを生み出しました。
現在では、酒造好適米の約6割に「雄町」の血が継がれていると言われています。
稲穂の丈が160cmを超えるほど高くなるため強風によって折れやすく、また害虫にも弱いため、栽培するのが難しいお米でもあります。
その難しさ故、一時は生産量が減少し、絶滅の危機を迎えたものの、岡山県の酒造メーカーを中心としたグループが雄町の復活に力を入れ、今では再び、雄町を使用した清酒が造られるようになりました。
それでもまだ希少価値の高い酒米なのですが、このようなエピソードからも分かるとおり、雄町は世の酒蔵やお酒好きに愛されてやまない酒米なのです。