《春野菜は日本酒に合う!春野菜にオススメの日本酒特集》
佐野屋酒店の佐野吾郎です。
まだ3月の中旬ですが、私が住む大阪ではすっかり春に変わりました。
春といえば春野菜。
野菜というと、肉や魚と比べて、酒の肴としては今一つ訴求力が弱いと思われている方が多いかも知れません。
しかし、京都のおばんざいは野菜が主役。
それでいて酒のつまみにもピッタリ!
野菜料理は日本酒にもよく合うのです。
《野菜が主役 京都先斗町で楽しむおばんざい》
野菜料理と京都先斗町
先斗町の良いところ、それは意外と安くて美味しい店が多いこと。
細い石畳の道に京都の風情が感じられる上に、高いお店でなくても料理と酒を楽しむことが出来る。
私は古着屋が多い寺町京極が好きでよく散歩に行く。
その帰りに寄るのが先斗町。
私がよく行く店はカウンターが掘りごたつのようになっていて、おちついて料理を楽しむことが出来る。
そのカウンターの上に、コロナ前には陶器の器にはいったおばんざいが並んでいた。
あれこれ目で楽しんで選べるのが魅力だった。
今は残念ながら注文スタイルに変わってしまったが…。
店に入って最初に注文するのはもちろん、その「おばんざい」。
日本酒以外に考えられないくらい日本酒にピッタリな料理。
しかも安い。
そのおばんざいの食材の主役は野菜なのだ。
そう、日本酒は野菜料理にもとても良く合う。
それを教えてくれるのが京都のおばんざい。
桜の季節の京都に行って、先斗町で日本酒を飲めたら幸せだろう。
しかし、遠くの人はなかなかそういう訳には…。
だったら家にいながら春野菜を使った料理で季節を楽しんでみるのはどうだろう。
それだけでは京都にいった気分には遠いかもしれないが、季節を感じながら日本酒を飲むなんて、なんと贅沢な大人の時間であろうか!
しかも春野菜は、今が旬の「新酒」によく合うのだ。
今回はそういった話をしたいと思う。
◆店主がおばんざいをあてにオススメする酒
店主が先日先斗町でおばんざいをあてに飲んで、一番美味しかった酒が2018年の玉川の大吟醸の無濾過生原酒。
こんなレアな酒が、先斗町で出会えるとは!
ひょっとしてウチから仕入れたのではないか?と思ったくらい。
残念ながら同一のビンテージは在庫がないのですが、ウチには更に1年熟成した平成29BY(2017BY)の在庫がわずかながら残っています!
この酒も同様にレアな酒!
これは紹介せずにいられないので紹介させて頂きます。
飲んだ時に感じたこと。
さすがは大吟醸。
格が違う。
美しい吟醸香、香りは食事を邪魔しない適切な範囲!
最初は首の帯に書かれている2018に気が付かず飲みましたが、年を取った感じは皆無。
むしろ程良い吟醸香りがある上品な美酒。
人で例えると20代後半の女性のような酒。
大人として人の幅が現れてきた頃。
吟醸香が有って滑らかなところが女性的。
玉川はどっしり系と思っている人も多いかもしれませんが、この酒に関しては上品です。
香りが程よくありながら、味に幅もあるので食中酒として飲んでも美味しい。
良いところが多い酒。
こんな美味しい酒、直ぐに無くならない一升ビンが残っていたのが幸い!
久々に酒で贅沢してみるか!
そう思った皆様、迷わずご注文下さい。
最後の1本は店主が飲むので非売品です。
◆玉川 大吟醸 無濾過生原酒 29BY 1800ml木下酒造(京都府) 1800ml 4,950円(税込み)
◆店主オススメ!梵のしぼりたては甘くなく辛過ぎず食中酒としては最適!
その先斗町の店で、月の桂の濁り酒の小さなボトルがあったので注文。
その酒を家内がとても気に入り、私は2口飲んだだけで残りは家内に全部飲まれてしまいました…。
おばんざいを食べていて思ったこと。
それは発泡系の濁りにもよく合うこと。
そこで当店の取り扱いなら何がピッタリなのか?
を考えたら迷わず浮かんだのが「梵のしぼりたて」
金巻の説明にもありますが、フレッシュさがある新酒には本当によく合います。
梵のしぼりたてで春野菜の天ぷらなんか食べたら美味しいと思います。
旬の食材は安くて美味しい。
梵のしぼりたては甘くなく辛過ぎず食中酒としては最適!
春の食材にピッタリな新酒です!
店主お薦め おばんざいにぴったりの日本酒
◆佐野屋の番頭・金巻 忍が解説!春野菜が日本酒に合う理由
私は巨漢な見た目に似合わず、大の野菜好き。
飲みに行って何が食べたい?って聞かれたら野菜と即答。
スーパーの野菜だけでは満足出来ず、こだわりの農家から直接野菜を送って貰っている程。
食欲が無い時、肉、魚はしんどいけど、お野菜なら食べられるじゃないですか。
野菜には十分主役を張れるだけのポテンシャルがあります。
そんな野菜好きにとってたまらない季節が春!
そう、春野菜です!
春野菜の最大の特徴、それは若さ。
フキノトウやタラの芽等のほろ苦さを味わっていると春だなぁ、って感じます。
もう少しすると豆類が旬を迎えます。
ソラマメにエンドウ豆、さやえんどう。
エンドウ豆とさやいんげんの交配種であるスナップエンドウなど。
豆類独特の青さを感じる風味。
春野菜の特徴である、ほろ苦さ、青いニュアンス。
これによく合うのが日本酒の新酒の若さです!
日本人が古来から大切にして来た季節感。
取り分け、日本料理は料理で季節を先取ることに重きを置かれて来ました。
新酒と春野菜は正しく出会い物。
お互い示し合わせて出て来た訳ではありませんが、互いを持ち上げてくれるベストパートナーです。
新酒の特徴である若さ。
フレッシュ感の中に感じるほのかな苦味や渋味。
これが、春野菜のほろ苦さや青さと繋がり、後に残るのは、お酒の甘さや野菜の甘味、旨味。
口の中で見事に重なり合います。
冬から春に掛けて、全国の酒蔵から多くの新酒がリリースされています。
是非、若々しさに満ち溢れた新酒と一緒に春野菜をお楽しみ下さい。
◆金巻のおすすめ!春野菜に合う日本酒
私が食の話題になると決まって遊穂を推す理由。
それは、食と合わせることを追求したお酒だからです。
熟成してナンボの遊穂ですが、新酒のおりがらみ、ゆうほのしろは特別!
冬にリリースされるお酒ですが、若いニュアンスが冬から春に掛けて旬を迎える野菜にメチャメチャ合います!
大阪府八尾市は野菜で有名。
八尾の若ごぼうは商標登録もされているブランド野菜です。
根っこから葉先まで1メートル近くある物もあるので、売り場でとにかく目立ちます。
我々が普段食べているごぼう(長根種)とは異なり、若ごぼうは茎や葉を食べる為の短根種です。
根っこ、茎、葉、全て食べられます。
若ごぼうはアクが強いので、適度にアク抜きをする必要がありますが、このアクが春らしさでもあります。
かき揚げ・炒め煮・きんぴら・炊き込みご飯・葉の佃煮(ふりかけ風)などなど。
一度買って来たら色々な料理が楽しめます。
若ごぼうの力強さ、春の若さを受け止められるのは食中酒の中の食中酒、遊穂です!
オリの複雑味がまたよく合います。
ゆうほのしろと春野菜。
是非お試し下さい。
◆金巻のおすすめ!春野菜に合う日本酒その2。
私が春野菜と聞いて真っ先に連想するのが、春野菜の天ぷら。
家でも食べますし、日本料理店、お蕎麦屋さんでも見掛けたら必ず頼みます!
メインは山菜。
フキノトウ・ウド・タラの芽・コゴミ・コシアブラ。
他にもヨモギ・タケノコ・ソラマメ。
変わり種でお茶の新芽、などなど。
春野菜独特の風味は油との相性がバツグン。
油によって栄養素の吸収も良くなりますし、衣で閉じ込めてサッと火を通すだけなので味も栄養も逃しません。
天ぷらは理にかなった調理法なんです。
車坂の特別純米の爽やかさは揚げ物が恋しくなりますし、春野菜のほろ苦さにもピッタリ合います。
今の時期はスーパーの野菜コーナーにも山菜が数多く並びます。
是非天ぷらを揚げて、車坂の特別純米と合わせてみて下さい。
金巻おすすめ! 春野菜に合う日本酒
先斗町(ぽんとちょう)おばんざい紀行
先斗町は17時から開店する店が多い。なのでまだ空が明るいうちから飲みにいけたりする。これも贅沢。
菜の花や山うど、きんぴらごぼう、万願寺。肉や魚だけではなく、野菜もおばんざいの主役。
写真は「じゃこ万願寺」
今日のおばんざい盛り合わせ。左は九条葱いりおから、真ん中は「小芋の柚子胡椒煮」
そして右は「山うど きんぴら」
菜の花のカラシ添えとホタルイカ
ビールよりも日本酒でしょう。日本酒のおつまみにピッタリ。
偶然見つけた玉川の大吟醸の2018BY。こんなレアな酒に出会えるとは。ちなみに佐野屋では2017BYを販売しています。
澤屋まつもと 守破離 ID164。この酒も美味しい!
家内が注文した京都の地酒飲み比べセット。このような京都の地酒の飲み比べセットも楽しい。
普段はワイン担当のまーちゃん。こんなお店で飲む日本酒は美味しくないわけがない。
楽しく過ごす間に、先斗町はすっかり暗く。次の店に向かう。
日本酒バー編
向かう先は日本酒バー
「酒蔵」という名前の日本酒バー。もちろん完全禁煙
この酒に、このあて。美味しくないわけがない。
車坂の純米大吟醸にチーズ。チーズは日本酒との相性は良い。
夕方のまだ明るいうちから飲みだすと、2件回っても早い時間に帰ることができ翌日も楽。今回まわった店ならそう高くもありません。
京都観光の際には是非先斗町に。