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Longridge THE EMILY

《まるでロゼだけど白ワイン　本国南アで一番人気》

こちらはロングリッジの中で、本国南アフリカで一番売れているワイン。
美しい色合いはまるでロゼワインのようですが、製法的には実は白ワインなんです。
樽熟成していないシャルドネと、少し樽熟成させたピノ・ノワールを混ぜています。

試飲時には知らずに飲んでいたので、てっきりロゼだと思っていました（笑）
実際とてもとてもジューシーで、まるっきりの白ワインとも少し違う個性。
人気アイテムだけあって、どなたにも愛されるフレンドリーさが魅力です。

N.V.（ノンヴィンテージ）なのは、収穫年がそれぞれ違うからではないかと思います。
N.V.だと古くなってもわかりにくい（特に白・ロゼはちょっと気になる・・）ので、当店では基本的にあまり積極的には取り扱わないのですが、一番人気だけあってフレッシュローテーションができているとの輸入元談。
何よりこの美味しさはぜひ体験していただきたいので、取り扱いを決めました。

《勇気ある女性エミリー・ホブハウスに捧げたワイン》

イギリス生まれのエミリー・ホブハウスは、英・ボーア戦争（1899-1902年）時代に、敵であるオランダ人兵士に対しても人種の壁を越えて献身的に介護した女性。
強制収容所の非人道性を暴いた無私の勇気ある行動により、戦後「名誉南アフリカ人」となりました。
「彼女の思い出と、世界中の正しいことのために戦う勇敢な女性たちに捧げる」という思いで命名されたオーガニック・ワインです。

《シニアソムリエまーちゃんのテイスティング》

美しい薄いオレンジ色。
様々な果実香が豊かに広がります。
いちごやラズベリーのような赤い実の香り、パイナップルのようなトロピカルフルーツ香、甘酸っぱいキウイやリンゴのような香りなどなど賑やか。
味わいも香りどおりの充実果実味のフルフレイバー。
たっぷりのジューシーさを尖りのない爽やかで豊かな酸がまとめています。
程よいボディ感があり、全体のバランス良し。
鮮やかで気持ちよく、親しみやすいやや辛口。
飲み慣れた方だと中口ぐらいに感じるかもしれません。とてもフレンドリーな味わいです。

合わせる料理も幅広く、シーフードのカルパッチョやマリネはもちろん、様々な調理法の魚介料理に。
唐揚げや焼き鳥（塩が特にお薦め）など白身の肉料理に。
ボンゴレやペペロンチーノなどのパスタやピザに。
チーズやサラダチキン、豆などでボリュームアップしたサラダにもぴったり。
ナッツやチーズ、ブルスケッタなどの軽いおつまみで、ワインを主役に楽しむのにもぴったりです。

醸造：両方のブドウとも全房でプレス、自生酵母で発酵。
熟成：ピノ・ノワールは古樽で、シャルドネはタンクでシュールリー熟成。その後ブレンド。

《自然農法にこだわるロングリッジ》

南アでも環境への関心がとても高い生産者として知られ、シュナン・ブラン・キングと呼ばれるラーツ。
そのラーツを率いるブルーワー・ラーツ氏のお兄さんヤスパー・ラーツ氏が醸造家を務めるのがこのロングリッジです。
ロングリッジもラーツ同様自然農法にこだわりを持ってオーガニック、ビオディナミでワイン造りをしています。
ロングリッジは日本デビューが2017年の年末。
輸入元によると、日本市場ではまだニューフェイスながら、百貨店、酒販店、レストランとまんべんなく評判が良く、ブランドに共通する優しい味わいで順調に人気を伸ばしているとのこと。

ロングリッジは、ステレンボシュの南側、ヘルダーバーグ山脈の斜面に位置しています。
この地域は、他のステレンボシュ地区より２－３度気温が低い。年間降水量800ml。
土壌は花崗岩質の下に鉄分の多い粘土質がありこれによって保湿性があるが、必要な年には灌漑できるようにしているという理想的な環境。
この恵まれた場所で、自然農法で多くの受賞ワインを生み出しています。

《目指すゴールは自然農法でワールドクラスのワインを作ること》

ロングリッジが目指すのは、シンプルに、ユニークで、テロワール主義、オーガニック農法で、人も環境も皆、健康であること、そして楽しめるワインでワールドクラスであること。
醸造責任者の一人、ヤスパー・ラーツ（写真下の男性）は語ります。
「オーガニックやビオロジック農法は、より良いワインを作ることが出来、土を守ることが出来ます。
170年を超える歴史のある農園ですが、このような自然農法によって更に200年ここで農業をすることが出来ると信じています。」

(文章：佐野 雅子)