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美しい村「ハインフェルド」
ベルンハルトコッホ醸造所があるのは、ドイツの南ファルツ地方にあるハインフェルド村。
フランスのアルザス地方に近く、暖かい気候にも恵まれているのでリースリングだけではなく、フランス系の葡萄品種であるシャルドネやピノノワールを育てています。
石灰岩の土壌が多いため、おいしいシャルドネやピノノワールを育てることができるのです。

育てる事ができる葡萄品種の数が多く、アロマティックなワインや貴腐ワインも造れる環境にあります。
そのため葡萄畑それぞれで景色が違うので村の景色もとても綺麗。
人口2,000人ほどの小さな村ですが、テロワールがとても素晴らしく品質の葡萄が育つ恵まれた土地なのです。

コッホ家について
コッホ家は1610年から葡萄栽培に携わってきた長い歴史を持っています。
(1610年というと関ヶ原の戦いが終わった10年後、江戸幕府が誕生してから7年が過ぎた年。日本でもそう出会わない長い家系です。)
右写真の中央にいる人物が当主のベルンハルト　コッホ氏。彼が1980年に若くしてワイナリーを引き継ぎました。当時の畑面積はわずか5haほどでしたが、一代で約50haを所有するまでになりました。

ベルンハルト氏の右にいるのが長男のアレクサンダー氏、そして右端が次男のコンスタンティン氏です。アレクサンダー氏は色々なワイナリーで研修し、ガイゼンハイム大学を卒業後、2018年から次期社長として入社した非常に優秀な人物。

ドイツにはワイナリー専門のマーケティングを学ぶ学部があり、コンスタンティン氏はそこを卒業して、2020年からワイナリーに参加しています。
ワインについては、ベルンハルト氏、アレクサンダー氏、そして日本人のケラーマスター（醸造家）坂田千枝氏の3人で色々なことを決めています。

ワイナリーのマーク「十字に丸の記号」の意味
ファルツ地方ではひとつひとつの村に、その村ならではの紋章があります。
十字に丸の記号はドイツでは井戸を表しますが、ハインフェルド村ではこの記号を村の紋章にしています。

しかし多くの人はその紋章のことを知らないため、ベルンハルトコッホでは紋章をワイナリーのマークにすることで、ハインフェルド村の魅力を伝えようとしています。

ベルンハルトコッホの敷地内には、まず1980年代にワイン造りを始めたころの小さい醸造所があり、コッホ家が住んでいます。それからパビリオンという、簡単な食事とワインが楽しめる小さなレストランも運営しています。そして、2016年に着工した貯蔵庫とヴィノテーク付きの新しい醸造所が2021年にようやく完成しました。

ワイナリーについて
畑面積はだいたい50から52ha。年間4550万本のワインを生産しています。
20種類以上の葡萄品種を栽培しています。当主のベルンハルト氏は新しいものが好きなのでテンプラニーリョやシラーなど、栽培品種を増やしています。

最近重要な品種として力を入れているのはブルゴーニュ系の品種、シャルドネやピノノワール、ピノブラン等、それからリースリングです。
スパークリングワイン、軽めの白やしっかりとした白、ロゼや赤、デザートワインなど、毎年80種類くらいのワインを生産しています。

ワイナリーでは、1984年からスパークリングワインの生産を開始しました。
ファルツはシャンパーニュにも近い地域ですが、その当時はまだスパークリングワインの造り方を誰も知らず、ベルンハルト氏によるとこの地域で最初に造り始めたチームだそうです。

260区画以上に分散する畑、そのメリットとは、
ワイナリーが所有する畑は色々な村の260区画以上にも分かれています。
このワイナリーで10年以上働く人でさえ、この畑を探せと言われてもすべての畑は探せないくらいの多さとか。
しかし当主のベルンハルト氏は全てを把握されているそうです。

分散していることのメリットは、水はけの良い畑、そうでない畑があること。遅霜や雹害の被害を分散させられることなどリスクを回避できるという点です。

ファルツの葡萄畑はほとんどが平地にあり、斜面といってもトラクターが入れるくらいの傾斜。全ての畑で効率的な機械作業を行うことができ、大事な仕事は手作業でするという選択がとれます。

ベルンハルトは「ワインのクオリティは畑から」という哲学を掲げており、ワインの品質の95%は畑で決まると考え、畑でできる限りの事を行いワイン造りをしています。