《カリフォルニア有機栽培第一人者のナチュラルワイン》

もう随分前ですが、このフロッグス・リープを訪ねたことがあります。
ナパやソノマのワイナリーを何軒か訪問したうちのひとつだったのです。
近代的でスタイリッシュなところや重厚な印象なところなどいろんなワイナリーの中で、花が咲き乱れた庭と小さく素朴なテイスティングルームのフロッグス・リープは圧倒的にナチュラルでリラックスできるワイナリーでした。

オーナーのジョンさんの来日で20年以上ぶりにお会いしてランチをご一緒させていただく機会がありました。
新しい醸造方法やタンクを試しているお話を聞くと、変わらずどころか、ますますワイン造りの情熱やアイデアが湧いている様子でした。
今回ご紹介するワインとお料理とのマリアージュも素晴らしかったです。
そんなカリフォルニア有機栽培第一人者のナチュラルワインをご紹介します。

フロッグス・リープは、1981年、カエルの養殖場として知られていたミル・クリークでオーナー＆ワインメーカーのジョン・ウィリアムズとラリー・ターリー（ターリー・ワイン・セラーズ）の共同経営でスタートしたワイナリー。
蛙が飛び跳ねたユニークなラベルとオーガニック＆バイオダイナミクスの第一人者として世界中でお馴染みのワイナリーです。
有機栽培によるナパ・ヴァレー最良のブドウを使用、伝統的な醸造技術で土壌と気候を色濃く反映したナパ・ヴァレー最高のワインを生み出しています。
2005年からはワイナリーで使用する電気も100%ソーラー発電によって賄っています。
LEED(Leadership in Energy and Environment Design)、Napa Greenの認定を受け、長い間環境に優しいワイン造りを行ってきています。

《2020年の大規模山火事を逃れたラッキー・シャルドネ！》

生産者によるワイン情報

1985年のファースト・ヴィンテージ以降、同じシャルドネのブドウ畑で働けることは十分に幸運なことです。
1979年にかの有名なトゥルシャード家によって植えられたこれらのブドウは、カーネロスの急斜面の丘陵地帯の特徴である分解されたシェール(頁岩)と砂岩に深く根ざしており、そのバランスと抑制されたスタイルに完璧に適していて、それはフロッグス・リープが目指す通りです。
フレンチ新樽で最大5日間、それから発酵のピーク時にコンクリート容器にラッキングし、最長で12ヶ月かけてしばらく澱とともに安静に寝かせます。
シェール(頁岩)で発展し、ストーン(岩)で寝かせられたこのシャルドネは、そのオリジンにダイレクトに話しかけるがごとく、信じられないほどの新鮮さと明確なミネラルのエッジを誇っています。
1979年に植樹。オーガニック栽培。収穫：8月26日-9月11日

2020年ヴィンテージは、山火事が発生し、ヴァレー上層部の多くのブドウ畑に大きな被害を与えたことで記憶に残ることでしょう。
大変な騒ぎでしたが、私たちは被害が出る前にシャルドネ(そして他のすべてのブドウ)を収穫し、安全に発酵させることに成功しました。
2020年に見落とされがちなのは、煙の影響を受けずに造られたワインにとって、とても素晴らしいヴィンテージだったということです。

2020年のシェール・アンド・ストーンは、白い花の愛らしいニュアンスとクリスピーなミネラル、そして(皮肉にも2020年には)マッチ棒と火薬のアロマがマッチした、フロッグス・リープ独自のスタイルとはまた別の美味しい例と言えるでしょう。
キリッとした辛口で、完璧なバランスを持つこのワインは、食事と合わせても、また飲むだけでも、様々な形で満足させてくれます。
2020年のシャルドネは、8月26日から9月11日の間に、畑の異なる区画が完熟に達したため8回に分けて収穫。
全てのロットは全房プレス、最初の3ロットはプレスで数時間のスキンコンタクト。
その後、フレンチオーク新樽に移し替え、4-6日間かけて最も活発な発酵を行いました。
各ロットの発酵が緩やかになると、全てのワインはステンレススチール張りのコンクリート製タンクに澱引き、その後数週間かけて一次発酵が終了。
澱の攪拌は行わず、翌年の夏まではタンクに硫黄を添加せず、冬の間に自然なマロラクティック発酵を終了。(醸造家：ローリー・ウィリアムズ)

(文章：佐野 雅子)