富山県の中心地から、少し離れた旧街道沿いに建つ「羽根屋」醸造元、富美菊酒造。
この方が富美菊酒造の蔵元で、「羽根屋」の杜氏を務める、羽根 敬喜(はね けいき)さん。
こちらは奥様であり、営業部長の羽根 千鶴子さん。
全国の日本酒イベントに積極的に参加する傍ら、蔵の中で男手に混ざって造り作業にも参加している。
恒例のスタッフ集合写真。
羽根さんご夫妻の他の方は、瓦職人の頭領や、標高2000m級の山小屋で働く方など、多彩な経歴の方が顔を揃える。
訪問した日は洗米作業が予定されていた。
男性スタッフが作業の準備に取りかかる一方、奥様の千鶴子さんに洗米機の説明をしていただいた。
準備が整い、洗米作業スタート。
奥様も作業用の姿に着替えて作業に参加。
半切りで吸水中の原料米。
この米は五百万石の50%精米のもので、麹米として使用するとのこと。
原料米の吸水具合を確認する羽根さん。
米の種類によって、あるいはその日の水温によって、理想の吸水率までの時間は全て異なる。
吸水時間は秒単位で管理しているが、最後は自らの感覚でベストのタイミングを見極める。
理想の吸水率に到達したら、一気に米を引き上げて枯らし場へ。
「枯らし場」とは、余計な水分を切るために一時的に米を安置する場所のこと。
枯らし場で余計な水分を切った米は、翌日の蒸しに使われるため、一箇所に集められる。
作業が一段落つき、蔵の中を案内していただいた。
ここは大型冷蔵庫内に設置された仕込み部屋。
富美菊酒造は2012年から四季醸造をスタートさせたのが、かつて商品の貯蔵庫として使用していた冷蔵庫を利用し、夏場でも酒造りを行なえる体制を整えた。
元気に発酵しているタンクの中を見て驚く吾郎。
搾り機(ヤブタ)が置かれている槽場も、冷蔵貯蔵庫内に移設。
ちなみに室内は0℃近くに設定されており、とても寒い。
初日の取材を終えて、羽根屋を取り扱っている富山市内の料理店に移動。
羽根屋の看板商品「煌火(きらび)」で乾杯。
春の富山の味覚といえば「ホタルイカ」を置いて他になし!
この地方で「新鮮」を表す、「きときと」のホタルイカと羽根屋は本当に最高です。
気がつけばテーブルが「羽根屋」とホタルイカで埋め尽くされた(笑)。
定番の酢みそ和え、天ぷらはもちろんのこと、「ホタルイカそうめん」や「ホタルイカしゃぶしゃぶ」など、新鮮なイカでなければ味わえない食べ方を体験して、店主吾郎大感激。
富山市駅前の広場にて。
富山と言えば江戸時代から伝わる「富山の薬売り」が有名。
もとは富山藩の経済基盤を支える目的で創業され、やがて諸国の大名が富山の薬売りの行商を懇請したことで、全国的に知られることとなった。
そしてもう1つ、富山はたいへん水が豊かな県の1つでもある。
羽根さんによると、とてもぜいたくな使い方ができるので、酒造りにも気兼ねなく使えるのこと。
駅前の広場には、このように路面から水が噴き出る様子を見ることができる。
ここ最近、富山の食を代表する1つとして急速に広まった、ご当地ラーメン「富山ブラック」。
黒に近い色のスープに、極太の麺。そしてかなり塩辛い。
全体を混ぜ合わせてから食べるのが「お作法」なのだが、これがなかなかクセになる味。
羽根屋の奥様お勧めの「大喜」にて撮影。